イノベーティブ、クリエイティブな人々が
集まる横浜エリアを探索しよう
HOME > 関内・関外地区活性化協議会/株式会社新井清太郎商店 新井英輔氏

関内・関外地区活性化協議会/株式会社新井清太郎商店 新井英輔氏

関内・関外地区活性化協議会 会長、株式会社 新井清太郎商店 代表取締役を務める新井英輔さんにお話をお聞きしました。

開港して規制が多い中でもオープンな横浜だからこそ成功した

――横浜や関内、関外の成り立ちや歴史について教えてください

日本で最初に貿易が始まった場所ですね。明治時代の過渡期のなかで、侍だった人たちが食べていくために続々と商売を始める。そんな時代から横浜は始まったと思います。当時は、自分たちのことで精一杯で今のように町内会なんてとてもじゃないほど苦労されていたと。もちろん皆さん協力しながらやっていたと記録にはありますが、会を作って和やかになってきたのはもう明治も後半くらいだとありますね。
関内・関外というのは字の通り関所の内側と外側という意味で、日本の会社が外側にあって、海外の会社が内側ですね。開港してからいろいろな会社が立ち上がりましたが、当時はまだ資本主義の社会に入り込めない感じではありましたね。規制もたくさんあって。
そんな中でも、弊社の創業者は商売というものを全く知らないまま、ドイツ系やフランス系の商社で貿易という世界を学んで独立しという経緯があります。当時、貿易というと陶器や繊維などが主流でしたけども、創業者はなぜかユリの球根に興味をもちまして。後々調べますと、ユリの球根の亜種というのは日本由来のものだったそうで、そこに目を付けたのだと分かりました。その後、ユリ根以外にも、日本を象徴する伝統的な園芸品である盆栽や植木などを、いち早くヨーロッパへ紹介・輸出し、日本文化を世界へ広げてきました。創業者も元侍で、千葉県出身でしたけども、知らない土地から来た人でも受け入れてくれる、横浜というオープンな地で創業したからこそ成功したんじゃないかと思っています。

若いころからの憧れの街。そんな横浜をひとつにしたい

――横浜の魅力、反対に課題点はなんでしょうか?

異国文化があり、流行の最先端の街である横浜は若いころから憧れでした。実際に横浜に来て、皆さんオープンで明るくて、思った通りの素晴らしい街だと感じました。
僕は音楽が大好きなものですから、昔は音楽バンドを組んで、仕事終わりや休日に米軍クラブで演奏していました。そういった体験が出来たのも横浜ならではと思いますね。

課題点は地区ごとにブロック化されてしまって、少し隔たりがあるところですね。
各地域の商店街同士で全く交流がないわけではないですが、同じ目的をもって、ひとつになれたら良いと思っています。商店街の方たちへアンケートを取ったり、皆様に集まってもらって話し合いをしたり、必要なこと、できることはなんだろうかと模索しているところではあります。

新しい風で活性化することを期待

――スタートアップ企業やこれから横浜で起業する人などに期待すること、アドバイスはありますか?

協議会を作ったりし、いろいろな方と話す機会が増えてきました。スタートアップ企業の若い方と弊社と関わるような業種であれば、お付き合いも出来ると思いますので、そういった点では新しい風が吹くのはとても良いことだと感じますね。
ひとつアドバイスするならば、経営者として仕事の種がどこにあるのかということは常に考えておいた方がいいですね。
弊社でも最初は輸出を主にしておりましたが、どんどん進出してくる海外の会社の資本には勝てないと、途中から輸入に転換して国内で販売を始めました。最初に決めたことを永劫やり続けるのでなく、臨機応変に変化していくことは大事になってきます。しかし決して無理してやるのではなく、自然な形でチャレンジしていくことが大切になってくると思っていますね。

まだまだ改革の余地があり成長していく街、横浜

――関内・関外地区活性化協議会として、今後はどういった活動をしていく予定でしょうか?

先ほども申し上げましたが、まずは地区に関わらず横浜をひとつにしていくことです。
そのためには、人の流れを誘導してなくてはならないと考えていますので、拠点拠点で行ってみたくなるような場所を作ったり、地下道の整備、ロープウェイや連接バスなど、まちの移動を楽しむ新しい交通サービスが展開されていますが、もっとこうしたものを広げていく……など、アイデアは色々考えています。しかし実際に実行できるかというと課題はたくさんありますので、地域の方や市とも協議しながら、進めていきたいと考えています。まだまだ改革の余地がある、成長できる街だと思っていますので、そのために尽力していきたいと思っています。

新井英輔
1973年 株式会社 新井清太郎商店入社、2008年 代表取締役社長就任。
関内・関外地区活性化協議会 会長のほか、一般社団法人関内活性会理事長・公益社団法人横浜貿易協会副会長・神奈川経済同友会 常任幹事を務める。
※役職などはインタビュー当時(2022年5月)のものです。

関内・関外地区活性化協議会
関内・関外地区を拠点とする商店街などの地元まちづくり活動組織15団体により設立された任意の協議会(平成24年12月6日設立)。
関内・関外地区の活性化を持続可能なものとするため、関内・関外地区活性化ビジョンに基づく取組および地域全体の活性化に効果のある重点的な取組について、地域が一体となって議論、情報共有し、あわせて、様々な主体が実施する具体的事業と適切かつ効果的に関わりを持って支援することで、地域の発展に寄与することを目的としている。

株式会社 新井清太郎商店
世界と日本をつなぐグローバルビジネスを目指し、明治21年(1888年)創業。
創業130年を超える実績を基に、価値ある商品の提供を地球規模で展開していく専門商社。
主な取扱商品は球根や盆栽、寒天、香辛料、ワイン、繊維など。その他、貸しビル事業など不動産事業も展開。